水疱瘡とヘルペスの関係

水疱瘡は小さな子供がかかる病気で赤い発疹ができるものだというイメージがあると思いますが、水疱瘡を発症するのはヘルペスウイルスに感染した時です。
そして水疱瘡を引き起こすヘルペスウイルスは水疱瘡の症状がおさまっても、体の中に存在し続けています。
通常はウイルスが体内にいても何の症状も起こすこともなく過ぎていきます。
体の免疫力が落ちている時に水疱瘡を起こしたウイルスが再び活性化して、症状がでることがあり、それが帯状疱疹と呼ばれるものです。

帯状疱疹は高齢の人によく起こるイメージがありますが、日本人の10~20%が発症すると言われている病気で、原因となっているのは水疱瘡を起こしたヘルペスウイルスです。
帯状疱疹を発症すると水疱瘡の時と同じような症状がでます。

水疱瘡と帯状疱疹を起こすウイルスは全く同じもので水痘帯状疱疹ウイルスといわれるものが原因となります。
これに比べてヘルペスは単純ヘルペスウイルスが原因で起こります。
水痘帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種なので、単純ヘルペスウイルスとは関係の深いウイルスになります。
しかし、このふたつは同じ種類だと言うだけで違ったウイルスなので、感染した時の症状にもちがいがあります。

単純ヘルペスウイルスは上半身に症状がでる1型と下半身に症状がでる2型に分けられます。
上半身に症状がでる時によく見られるのが唇に症状がでる口唇ヘルペスです。
下半身に症状がでるものは性器ヘルペスが多いでしょう。

水疱瘡は身体の全ての部位に症状がでることが多く、帯状疱疹の場合には体の左右どちらかの神経に沿って集中して症状がでることが多いという特徴があります。
それに比べてヘルペスは感染をした部位を中心に症状が広がることが多いようです。
そして水疱瘡は一度発症するとその後は帯状疱疹となって再発をしますが、単純ヘルペスウイルスは治癒をした後でも何度も発症することがあるという違いがあります。

ヘルペスの産道感染の危険性と回避法

単純ヘルペスウイルスにかかっている人が妊娠した場合には、胎児や新生児に影響がでる危険があります。
通常は妊娠中に感染したのであれば、母体でできた抗体が胎児に移行するため、胎児も単純ヘルペスウイルスの抗体を持って生まれてきます。
しかし、抗体が胎児に移行するには一定の期間を必要とするために、妊娠30週を越えてからヘルペスを発症した時には胎児に抗体がないままに出産を迎えてしまい、その結果ヘルペスウイルスの産道感染を起こす危険が出てきます。

ヘルペスウイルスが産道感染を起こした場合には、新生児にヘルペスの症状が出て死亡することも多いという深刻な経過をとることがあります。
新生児がヘルペスに感染した時には全身型、中枢神経型、表在型の3つに分類されます。

この中で表在型の場合には皮膚や口の中、目に症状があらわれることが特徴で比較的軽症で済むことが多く予後は良好です。
中枢神経型の場合には脳炎を起こして痙攣、無欲状態などの症状がでます、予後は悪くありませんが後遺症が残ることがあります。
全身型の場合はあらゆるところに症状があらわれて多臓器不全によって死亡することが多い予後が悪いタイプです。

こういったことを回避するために、感染が分かった時には出産を帝王切開で行うことで産道感染が回避できるような対策がとられます。
産道を通ることがなければ新生児がウイルスに接触する器官が減り感染を回避できる可能性が高くなります。
ヘルペスを母体が発症すると、高い確率で新生児に感染することがわかっており、新生児が感染を起こしてしまうと死の危険が出てきます。
そのため母体が発症した時には新生児に産道感染してしまわないよう帝王切開で出産をするという対策が必要になってきます。